オールインワン化粧品の中でも、ジェル・ゲル状など肌滑りがよいものを使っている人は、「マッサージもできそう」と思ったことがありませんか?
基礎化粧品を肌になじませるついでにフェイシャルマッサージができれば、一石二鳥で嬉しいですよね! ついでのケアだから、負担感もなく継続しやすいメリットがあります。
フェイシャルマッサージは、基本を守れは効果もあるしカンタン! ただし、せっかくのケアも間違った方法で行えば逆効果になってしまいます。
このページでは、悩みに対応した部位別のマッサージ方法や、簡単にマスターできる顔全体の基本マッサージ方法に加え、逆効果にさせないポイントもご説明しています。
やり方はとても簡単! ぜひマスターして、若々しく健康的な輝く美肌を目指しましょう。
- 知っておくと応用が効く!フェイシャルマッサージの基礎知識
- フェイシャルマッサージを逆効果にさせない!これだけは守りたい注意点
- 悩み別・部位別のマッサージ方法
- フェイシャルマッサージの効果をよりアップさせる方法
フェイシャルマッサージの基本
まずは、フェイシャルマッサージの基本を理解しておきましょう。基本を知っておけば、応用が効きます。
マッサージは気持ちいいし良さそうだけど、「なぜマッサージをするのか」を具体的にイメージできれば、継続するモチベーションにもつながりますよね。
フェイシャルマッサージの効果
まず知っておきたいのは、フェイシャルマッサージの効果。をれをきちんと知るためには、どのような “働き” があるかを確認する必要があります。
マッサージの働きには、大きく分けて次のようなものが挙げられます。
- 筋肉のコリをほぐし、刺激を与えることで働きを向上させる
- 血液循環(血行)やリンパの流れを改善する
- 老廃物を流し、新陳代謝を促す
そして、このマッサージの働きの結果として、以下のような “効果” が期待できます。
- 顔のむくみやたるみを改善
- 肌の働きを良好にして、うるおい感やハリ感を高める
- 血行の促進によって肌をトーンアップさせる
このように、マッサージによって筋肉のコリをほぐし、血行やリンパの流れを促すことで、老廃物を流したり、細胞に栄養や酸素を届ける働きを助けます。
その結果、表皮の新陳代謝がスムーズになってキメが整い、うるおい感アップや、肌のトーンアップにつながるということです。
ぜひ、毎日続けて行うことで、うるおいとハリのある美肌を目指しましょう!
老廃物をリンパに流す
マッサージには、老廃物をリンパに送り出し、リンパの流れを促進させる働きがあります。
リンパ液は、血液のように一定の圧力で流れる力を持っていません。流れが滞ると、働きが鈍ったり、むくみやたるみの原因になってしまうため、マッサージによって流れをスムーズにする手助けをすることが効果的です。
リンパとは
フェイシャルマッサージを行うなら、リンパのことを知っておくと応用が効くので少しご説明しておきましょう。まず、リンパがどういうものか簡単に見てみます。
下図は頭部だけですが、リンパ管は体中に張り巡らされ、ところどころにリンパ節があります。ヒトの体液は、主に動脈・静脈、リンパ管によって循環されていますが、リンパ液は、成人で1日に約1リットルの流量があり、体液の循環において大きな役割を担っています。
リンパ液は、老廃物を流す役割も持っており、リンパ節では、リンパ液のなかにウイルスや細菌、変質した細胞がないかなどのチェックが行われる重要な場所です。
血管にはポンプの役割を果たす心臓がありますが、リンパ管には大きなポンプがありません。血液と比べるとリンパ液の流れるスピードはゆっくりで、流れる速度も一定ではありません。
リンパの流れを滞らせないためには、筋肉の収縮、弛緩や呼吸によって生じる圧力の変化、体の外からのマッサージ刺激などが助けとなります。
リンパ液には大きなポンプがありません。外からのマッサージによる刺激によってリンパ液の流れを促し、老廃物を滞らせないための助けになります。
リンパ節とは
リンパは、毛細リンパ管として始まり、静脈に届けるまでの間に何度も合流を繰り返します。この合流する部分がリンパ節と呼ばれる場所で、異物の侵入をチェックし、異物が血液循環系へ侵入するのを防いでいます。異物を発見すると免疫細胞が異物を攻撃、破壊し、リンパ液はきれいな液体となって流れていきます。
マッサージによって、細いリンパ管の途中で滞っていた老廃物も流れやすくなるため、リンパ節まで流すことを意識するのが効果的です。
では、リンパ節はどこにあるのでしょうか? 下の図を見て下さい。
沢山ありますが、顔周りで重要なリンパ節としては「こめかみ」「耳前」「あご下」「鎖骨」の4か所を覚えておけば大丈夫。上図でマーカーが引いてある場所です。
フェイシャルマッサージの注意点
次に、フェイシャルマッサージを行う際の注意点です。
とても簡単な内容ですが、肌のことを考えると、これは外してはいけない大切なポイントです。せっかくのケアを逆効果にしたいために、しっかり押さえておきましょう。
注意点は、以下の3つ。
- 強さ:肌を強くこすらない
- 回数:何度もやりすぎない
- 潤滑剤:肌滑りの良い化粧品を使う
セルフフェイシャルマッサージで気を付ける点は、肌に摩擦を与えないこと。
そのために、強くこすらない、やりすぎない、肌滑りの良い化粧品を使うということが大切になります。つい欲張って力を入れ過ぎたり、何度もやりたくなってしまうことがありますが、この3つは必ず守りましょう。
肌は摩擦が大敵です。特に年齢肌になるほど、ひっぱったり押さえすぎたりしないように気を付けます。
強さは、肌をすべらせるように優しく。回数は、1日に1回~2回で充分です。
ツボやリンパ節を押さえるときには、指を曲げて関節で上から押さえ、ぐるぐる回転させるなどの動作は手を肌に密着させたまま行い、表面の皮膚を引っ張らないように行いましょう。
マッサージには様々な技法がありますが、自宅で行うセルフフェイシャルマッサージでは「力を入れず、手をやさしく滑らせる」「ツボや筋肉を押さえる」という方法に限定して行ったほうが安心です。
マッサージのための道具として美顔ローラーやかっさなど各種販売されていますが、肌に刺激を与えるものは、長期的にはあまりおすすめできません。
また、オールインワン化粧品でマッサージをする際には、ジェルやクリームのなかでも潤滑剤となるくらいの肌滑りが良いものに限定しましょう。もし摩擦を感じるようなら、その化粧品でマッサージを行うのは中止しましょう。
肌に摩擦や刺激を与えすぎると、どうなる?
では、肌を強くこすったり、何度もマッサージを繰り返して刺激を与えすぎるのは何故NGなのでしょうか。
その理由は、シミやたるみの原因になるから。このことについて、詳しくご説明しましょう。
シミの原因になる
シミの原因となる「メラニン色素」は、紫外線を浴びることによって分泌されることはよく知られていますね。紫外線によってメラニン色素が過剰分泌され、ターンオーバーで排出しきれなくなり、肌に色素が残ってしまった状態が色素沈着です。この色素沈着は、シミやそばかすとなって肌に残る可能性があります。
しかしメラニン色素は、紫外線を浴びた場合以外にも分泌されることがあります。それが、過剰な刺激を受けたとき。
その刺激の1つに挙げられるのが「摩擦」です。強い摩擦でフェイシャルマッサージを続けると、メラニン色素が過剰に分泌され、ターンオーバーで排出しきれずシミになってしまう危険性があります。
たるみの原因になる
次に、上の図を見て下さい。これは皮膚の構造ですが、表皮の下には真皮という層があります。ここにはコラーゲンやエラスチンという成分があり、立体格子状に規則正しく存在することにより肌のハリが保たれています。
しかし、肌に摩擦を与えすぎると、この真皮が崩れてきて皮膚がゆるみ、結果的にたるみの原因となる場合があります。
くれぐれも強くこすったり、引き延ばしたりすることのないように気を付けましょう。
フェイシャルマッサージのやり方
それでは、いよいよ実践です! 様々な悩み別にマッサージのやり方をご紹介します。
01|小顔リンパマッサージ
顔が大きくなったように見える原因には、リンパの滞りによって顔がむくんでいる場合があります。小顔リンパマッサージは、リンパの流れを促進させ、余分な水分や老廃物を流すことが目的です。
おでこの中央に指をあて、こめかみに向かってすべらせる。
あご先からこめかみに向かってすべらせ、最後にこめかみを押す。
頬の内側から、こめかみに向かってすべらせる。
内側から、外側に向かってすべらせる。
内側から、外側に向かってすべらせる。
こめかみから耳前、そのあと鎖骨に向かってすべらせる。
右側は左手で、左側は右手で。
02|むくみ・たるみ解消マッサージ
年齢肌で多くなる悩みの1つが、むくみやたるみですよね。これはリンパの滞りが原因になっている場合があります。フェイシャルマッサージによって、優しく流れを促しましょう。
02-①|目元のたるみ
目元は、こめかみや耳前にあるリンパ節やツボを意識して、下の図を参考に手をすべらせましょう。
耳をつまんでくるくる回し、最後につまんだまま外側へ指をすべらせる。
内側から、外側に向かってすべらせる。
内側から、外側に向かってすべらせる。
手をグーにして第一関節をこめかみにあて、ぐるぐる回す。
こめかみから、耳前へすべらせる。
耳下から、鎖骨に向かってすべらせる。
右側は左手で、左側は右手で。
02-②|エラ・アゴのたるみ、二重アゴ
エラやアゴのたるみや二重アゴには、頬、こめかみ、あご下、鎖骨のリンパ節を意識して、下の図を参考に手をすべらせたり、指の関節で押さえたりしましょう。
口下から、頬に向かってすべらせる。
手をグーにして、頬骨の下に第一関節をあて、ぐるぐる回す。
手を肌に密着させたまま行い、表面の皮膚を引っ張らないように。
あご先から、こめかみに向かってすべらせ、最後にこめかみを押す。
人差し指の関節を、アゴ下のへこむ部分にあて、あご先から耳下に向かってずらしながら押していく。
アゴ下から、下に向かってすべらせる。
耳下から、鎖骨に向かってすべらせる。
右側は左手で、左側は右手で。
03|法令線を薄くするマッサージ
法令線には、頬、こめかみ、耳前、鎖骨のリンパ節を意識して、下の図を参考に手をすべらせたり、指の関節で押さえたりしましょう。
口下から、頬に向かってすべらせる。
手をグーにして、頬骨の下に第一関節をあて、ぐるぐる回す。
手を肌に密着させたまま行い、表面の皮膚を引っ張らないように。
3列に分けて、まずはあご先から始め、こめかみに向かってらせんを描く。
最後にこめかみを押す。
あご先から、こめかみに向かってすべらせ、最後にこめかみを押す。
こめかみから、耳前へすべらせる。
耳下から、鎖骨に向かってすべらせる。
右側は左手で、左側は右手で。
04|リフトアップマッサージ
顔のリフトアップには、耳、頬、こめかみ、あご下、鎖骨のリンパ節を意識して、下の図を参考に手をすべらせたり、指の関節で押さえたりしましょう。
耳をつまんでくるくる回し、最後につまんだまま外側へ指をすべらせる。
手をグーにして、頬骨の下に第一関節をあて、ぐるぐる回す。
手を肌に密着させたまま行い、表面の皮膚を引っ張らないように。
口下から、頬に向かってすべらせる。
人差し指の関節を、アゴ下のへこむ部分にあて、あご先から耳下に向かってずらしながら押していく。
アゴ下から、下に向かってすべらせる
耳下から、鎖骨に向かってすべらせる。
右側は左手で、左側は右手で。
これなら続けられる!ポイントを押さえた顔全体の簡単マッサージ
顔全体のマッサージは、額と頬ではリンパ節に向かってらせんを描きます。耳、頬、こめかみ、鎖骨のリンパ節を意識して、下の図を参考に手をすべらせたり、指の関節で押さえたりしましょう。これで顔全体がカバーできます。
額の中央から指をすべらせてらせんを描き、こめかみを押す。
軽くすりおろす。
少し力を入れて、上下させる。
内側から、外側に向かってすべらせる。
3列に分けて、まずはあご先から始め、こめかみに向かってらせんを描く。
最後にこめかみを押す。
耳下から、鎖骨に向かってすべらせる。
右側は左手で、左側は右手で。
マッサージの効果をアップさせる方法は?
マッサージのやり方が分かったら、次は、効果を最大限にアップさせる方法をチェックしましょう。
マッサージ前|血行を良くし、リンパが流れやすくしておく
まずはマッサージ前の準備から。マッサージによって血行やリンパの流れを促進させるので、あらかじめ身体の血行を良くしておくことによって、より効果が期待できます。
- お風呂上りは、すぐにケアを始める。
- 首や腕を回してほぐす。
- 頭や首などのツボを押してほぐす。
マッサージ中|老廃物をリンパ節まで流す
マッサージ中は、老廃物をリンパに流すことを意識します。先述したリンパ節に向かって手をすべらせましょう。
また、おおきくゆっくり呼吸することで血液の流れを促します。フェイシャルケアの際は、時間のあるときに、ゆっくりした気持ちで行いましょう。気持ちをリラックスさせて行うのも大切です。
- 老廃物をリンパに流すことを意識して、リンパ節に向かって手をすべらせる。
- ゆっくりおおきく呼吸する。
- ゆったりした気持ちで、リラックスした状態で行う。
マッサージ後|水分摂取と保湿を
マッサージの後は血行が良くなっていますので、そのままスキンケアを行いしっかり保湿します。
また、体内の流れをよくするために、常温の水かぬるま湯を飲みましょう。冷水は体を冷やし、マッサージによって促進させた流れを妨げてしまうので気を付けて。
マッサージの後は、流れのよい状態をキープするためにもリラックスして過ごしましょう。
- スキンケアを最後まで行い、しっかり保湿。
- 常温またはぬるま湯を飲む。
- リラックスして過ごす。